無塩バターは、パン作りのレシピに欠かせない材料です。実際に使う段になると、何グラム用意すればよいのか迷う場面は少なくありません。少量ずつ使うことが多いからこそ、分量の考え方を知っておくと安心です。
無塩バターの分量は、パンの種類や配合によって幅があります。小麦粉に対してどれくらいの割合で使うのかを把握しておくと、レシピの意図が読み取りやすくなります。量り方や切り分け方を工夫すれば、日々の計量作業も進めやすくなります。
この記事では、無塩バターを何グラム使うのかという視点から、レシピの分量の目安、正確な量り方、有塩バターとの違いや保存の工夫まで幅広く見ていきます。パン作りに関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
無塩バターは何グラム使うのが目安なのか
パンのレシピに登場する無塩バターの分量は、生地の種類によって大きく変わります。ここでは、代表的なパンの種類ごとに、無塩バターをどれくらいの分量で使うことが多いのか、目安となる考え方を見ていきます。あわせて、分量が生地にどう影響するのかも確認していきます。
食パンなど基本のパン生地に使う分量の目安
食パンなど、日常的に作られる基本のパン生地では、無塩バターの配合量は控えめであることが多いです。小麦粉の量に対して数パーセント程度にとどめるレシピも珍しくありません。バターの量が少ない生地は、風味よりも食感や扱いやすさを重視した配合になりやすい傾向があります。
無塩バターの量が少ない場合、有塩バターに置き換えても塩分の差はごくわずかにとどまることが多く、味への影響は限定的です。ただし、レシピに記載された分量を大きく変えると、生地の水分バランスが崩れる原因になるため、置き換える場合も分量自体は保つことが大切です。
配合量を控えめにする理由のひとつは、油脂の量が多くなるほど生地がやわらかくなり、グルテンの伸びに影響が出やすくなるためです。日常的に食べる食パンでは、軽い食感や扱いやすさを優先する配合になりやすく、結果として無塩バターの分量も控えめになる傾向があります。逆に、しっかりとした風味を出したい場合は、少し多めに配合したレシピを選ぶという方法もあります。
ブリオッシュや菓子パンなど油脂が多いパンの分量
ブリオッシュやシュトーレンのような発酵菓子、バターの香りを前面に出す菓子パンでは、無塩バターの配合量が多くなる傾向があります。小麦粉の量に対して二割前後、あるいはそれ以上のバターを使うレシピも見られます。
このようにバターの比率が高いレシピでは、有塩バターに置き換えると塩分や風味の差がはっきりと感じられやすくなります。バターの量が多いパンほど、レシピに指定された無塩バターをそのまま使うことが、狙った味や食感に近づける近道になります。無塩バターを切らしている場合は、あらかじめ多めに常備しておくと安心です。
ベーカーズパーセントで考える無塩バターの割合
パン作りのレシピでは、小麦粉の重量を100とした割合で他の材料の分量を示す考え方が使われることがあります。この考え方を使うと、無塩バターの配合量をパンの種類ごとに比較しやすくなります。
例えば、小麦粉150gに対して無塩バター10g前後を使うレシピもあれば、同じ小麦粉の量に対して30g以上を使うリッチな配合のレシピもあります。数値だけを見比べるのではなく、自分が作りたいパンの系統に近いレシピの割合を目安にすると、分量の感覚がつかみやすくなります。同じ無塩バターという材料でも、パンの種類によって役割の大きさが変わる点を意識しておくとよいでしょう。
この割合の考え方を知っておくと、レシピを比較したり、分量をアレンジしたりする際にも役立ちます。例外として、成形や発酵の方法によっては、同じ配合割合でも扱いやすさが変わることがあります。数値はあくまで目安として捉え、実際に作る過程で生地の状態を確認しながら調整していくことも、パン作りを続けるうえで大切な視点です。
| パンの系統 | 無塩バターの配合量の目安 |
|---|---|
| 食パンなど基本の生地 | 小麦粉に対して数パーセント程度 |
| 菓子パンなどやや配合の多い生地 | 小麦粉に対して一割前後 |
| ブリオッシュなどリッチな生地 | 小麦粉に対して二割以上になることもある |
- 無塩バターの分量はパンの種類によって大きく変わる
- 基本のパン生地ではバターの配合量が少ない傾向がある
- ブリオッシュなどリッチな生地ではバターの割合が高くなる
- 自分が作りたいパンに近い系統の配合を目安にするとよい
無塩バターの分量は必ずレシピ通りにしないといけませんか。基本のパン生地のように配合量が少ない場合は、多少の増減があっても仕上がりへの影響は大きくなりにくいです。ただし、リッチな配合のパンほど分量の差が仕上がりに表れやすくなるため、できるだけレシピの分量に沿うことが望ましいです。
無塩バターの代わりにショートニングやマーガリンなどの油脂を使ってもよいですか。風味は変わりますが、分量の考え方自体は無塩バターに準じて扱えます。ただし、油脂の種類によって生地の食感や香りが変わるため、置き換える場合はまず少量のレシピで試してみると安心です。
無塩バターの分量を正確に量る方法
無塩バターは少量ずつ使うことが多いため、正確に量ることが仕上がりの安定につながります。ここでは、デジタルスケールを使った基本の計量方法から、パッケージを利用した切り分け方まで、実践しやすい量り方を確認していきます。
デジタルスケールを使った基本の計量
無塩バターの分量を正確に量るときは、デジタルスケールを使う方法が扱いやすいです。容器やまな板をスケールに乗せてから重さをゼロに戻し、そこにバターを少しずつ足していくと、誤差を抑えやすくなります。
バターは温度によって柔らかさが変わるため、冷蔵庫から出したばかりの状態で切り分けてから計量すると、形が安定して量りやすくなります。少量の差でも生地の仕上がりに影響することがあるため、目分量に頼らず、できるだけ数値で確認する習慣をつけておくと安心です。
計量の際は、スケールを水平な場所に置くことも大切なポイントです。傾いた場所で量ると数値がずれる原因になります。また、風があたる場所や振動のある場所では表示が安定しないことがあるため、落ち着いた場所で計量する習慣をつけておくと、毎回同じ精度で分量を確認しやすくなります。
板状のパッケージを使った切り分け方
市販の無塩バターは、150gから200g程度のかたまりで販売されていることが多く、そのままの状態では必要な分量を目分量で切り出しにくい場合があります。ひとかたまりを10等分すると15gから20g程度、20等分すると7.5gから10g程度の大きさになるため、あらかじめ切り分けておくと、使うたびに計量する手間を減らせます。
バターの包み紙にグラムの目盛りが入っている商品もあり、その目盛りに沿って切ると、比較的簡単に必要な分量を取り出せます。清潔なナイフを使い、手早く切り分けることも品質を保つポイントです。
スケールがない時のおおよその量り方
計量スケールが手元にない場合でも、無塩バターのおおよその分量を把握する方法があります。大さじ1杯分のバターはおよそ12gから15g程度が目安とされており、この感覚を覚えておくと、緊急時の代用としてある程度役立ちます。
ただし、これはあくまで目安の数値であり、パンの仕上がりを左右する場面では、できるだけ正確な計量器を使うことが望ましいです。普段からスケールを使う習慣をつけておくと、量り方に迷う場面自体を減らすことにつながります。
旅行先や実家など、いつもと違う環境でパンを作る場合には、スケールを持参できないこともあります。そうした場面では、あらかじめ自宅で無塩バターをグラム単位に切り分けて持っていくと、現地でおおよその量り方に頼らずに済み、いつもに近い仕上がりを目指しやすくなります。
20等分すると7.5〜10g程度になります。
包み紙の目盛りを使うと切り分けやすくなります。
切り分けた後は空気に触れないよう保存します。
- デジタルスケールで容器の重さをゼロに戻してから量る
- 市販のかたまりを等分してあらかじめ切り分けておくと便利
- スケールがない場合は大さじ1杯を目安に考える
- 正確な計量ほどパンの仕上がりが安定しやすい
例えば、200gの無塩バターを購入したら、届いたその日のうちに10gや15gなど、普段よく使う単位で切り分けておくと、次にパンを焼くときにすぐ取り出せて便利です。切り分けたバターにはそれぞれラップを巻き、グラム数をメモしておくと、パッケージを開けるたびに計量し直す手間を省けます。忙しい日にも取り出すだけで作業を始められるため、パン作りのハードルを下げることにもつながります。

有塩バターで代用するときの分量の考え方
無塩バターが手元にない場合、有塩バターで代用したいと考える方は多いはずです。ここでは、有塩バターに含まれる塩分の目安や、代用するときに分量をどう調整するとよいかを確認していきます。
有塩バターに含まれる塩分の目安
文部科学省の食品成分データベースでは、有塩バター100gあたりの食塩相当量はおよそ1.9g、無塩バターはほぼ0gという数値が示されています。この差を踏まえると、無塩バターのレシピを有塩バターにそのまま置き換えた場合、使用するバターの量に応じて塩分がわずかに増えることになります。
バターの配合量が少ないレシピであれば、増える塩分もごく少量にとどまりますが、配合量が多いレシピほど、その差がはっきりと表れやすくなります。
代用時に塩の分量をどう調整するか
有塩バターを使う場合、レシピに記載された食塩の量から、バターに含まれる塩分の目安を差し引くという考え方があります。例えば、無塩バター20gを使うレシピで食塩4gが指定されている場合、有塩バターに含まれる塩分はおよそ0.3g程度になるため、食塩の量をその分だけ少なくして調整します。
ただし、この調整をしても、有塩バターの塩分は生地に後から加わる形になるため、無塩バターと食塩を別々に加える場合と、まったく同じ仕上がりにはならない点も理解しておくと安心です。
調整した分量で焼いてみて、味や食感に違和感がなければ、そのレシピでは有塩バターへの置き換えが合っているといえます。逆に、塩味が強く感じられたり、生地の伸びに違いを感じたりした場合は、次回は食塩の量をさらに調整するか、無塩バターに戻すという判断も選択肢になります。
配合量によって代用の影響が変わる理由
有塩バターへの置き換えによる影響は、レシピ全体に対するバターの配合量によって変わってきます。バターの配合量が小麦粉に対して数パーセント程度の生地であれば、有塩バターに置き換えても塩分の差はわずかで、味わいへの影響は限定的です。
一方で、バターの配合量が多いリッチな生地では、含まれる塩分の絶対量も増えるため、置き換えによる風味や食感の変化を感じやすくなります。バターの配合量が多いレシピほど、できるだけレシピどおりの無塩バターを使うことが、狙った仕上がりに近づける方法だといえます。
初めて有塩バターで代用する場合は、いきなりリッチな配合のパンで試すのではなく、まずは配合量の少ないシンプルなパンで試してみると、味や食感の変化を確認しやすくなります。慣れてきたら、少しずつ配合量の多いレシピにも応用していくと、無理なく代用の感覚をつかんでいけます。
| 種類 | 食塩相当量の目安(100gあたり) |
|---|---|
| 無塩バター(食塩不使用バター) | 0g程度 |
| 有塩バター | 1.9g程度 |
- 有塩バターの食塩相当量は無塩バターよりも高い
- 置き換える際は食塩の分量を調整する考え方がある
- 調整しても風味や仕上がりが完全に同じにはならない
- バターの配合量が多いレシピほど差を感じやすい
有塩バターを使うとき、レシピの食塩を完全に抜いてもよいですか。塩には生地を引き締めたり、伸びをよくしたりする役割もあるため、食塩を完全に抜くのではなく、バターに含まれる塩分の分だけ少なくする考え方のほうが、生地の状態を保ちやすくなります。
有塩バターとマーガリンでは、代用の考え方は同じですか。どちらも同量で置き換える考え方は近いですが、風味や食感への影響は素材によって異なります。まずは配合量の少ないレシピで試してから、リッチな配合のパンに応用すると、変化を確認しながら進めやすくなります。
使いきれない無塩バターの保存と分量管理
無塩バターは、一度に使う量が少ないパンほど、パッケージ全体を使い切るまでに時間がかかります。ここでは、保存方法と分量管理を組み合わせて、無塩バターを無駄なく使うための工夫を確認していきます。
冷蔵保存の分量と使い切りの目安
無塩バターは、未開封の状態であれば冷蔵庫で数ヶ月程度保存できるとされていますが、開封後は風味が変わりやすいため、早めに使い切ることが望ましいです。頻繁にパンを焼く場合は、使う分だけ切り分けて保存すると、毎回パッケージ全体を出し入れする手間を減らせます。
においを吸収しやすい性質があるため、においの強い食品と近くで保存しないようにすることも、風味を保つうえで大切なポイントです。
保存容器に入れる際は、空気に触れる面積をできるだけ減らすことも意識しておきたいポイントです。ラップでぴったりと包んだり、密閉できる保存容器を使ったりすることで、酸化による風味の変化を抑えやすくなります。開封した日付をメモしておくと、使い切るまでの期間の目安も把握しやすくなります。
冷凍保存で無駄なく使うための切り分け方
しばらくパンを焼く予定がない場合や、まとめて購入した場合には、冷凍保存を活用する方法があります。使いやすい分量にあらかじめ切り分けてから、空気に触れないようぴったりとラップに包み、冷凍しておくと、必要なときに必要な分だけ取り出せます。
冷凍と解凍を繰り返すと風味が損なわれやすくなるため、一度解凍したバターは再び冷凍せず、その回で使い切ることが望ましいです。解凍するときは、前日に冷蔵庫へ移しておくか、常温で自然に戻す方法が扱いやすいです。
冷凍する分量をレシピでよく使うグラム数にそろえておくと、解凍する際に必要な分だけを取り出しやすくなります。例えば、いつも10gや20g単位でバターを使うことが多い場合は、その単位で切り分けて冷凍しておくことで、レシピを見ながら分量を調整する手間を減らせます。
小分けにする際に注意したいポイント
無塩バターを小分けにする際は、清潔なナイフとまな板を使い、手早く作業することが望ましいです。切り分けたバターは、ひとつずつラップに包むか、密閉できる保存容器にまとめて入れると、空気に触れる面積を減らせます。
分量を書いたメモを添えておくと、あとで取り出すときにグラム数を確認しながら使えるため、計量の手間も減らせます。保存の工夫を重ねることで、無塩バターを最後まで無駄なく使い切りやすくなります。例えば、購入した無塩バター200gを届いたその日のうちに10gずつ20個に切り分けて冷凍しておくと、次にパンを焼くときはレシピに書かれたグラム数の分だけ取り出すだけで済みます。
使う分だけ切り分けて冷蔵し、残りは冷凍しておくと管理しやすくなります。
一度解凍したバターは再び冷凍せず使い切ります。
- 無塩バターは開封後、早めに使い切ることが望ましい
- 使う分だけ切り分けて保存すると管理しやすい
- 冷凍保存を活用すれば無駄なく使い切りやすい
- 一度解凍したバターは再冷凍せずに使い切る
まとめ
無塩バターを何グラム使うかは、パンの種類と配合によって変わりますが、目安となる考え方さえ知っておけば、レシピの分量に迷うことは少なくなります。
まずは、いつも作っているパンのレシピに書かれた無塩バターの量を確認し、小麦粉に対してどれくらいの割合かをチェックしてみてください。
分量の感覚が身につけば、パン作りはもっと気軽に楽しめるようになります。ぜひ日々のパン作りに役立ててください。
本記事の内容は、パン作りにおける一般的な分量や量り方の目安を紹介するものであり、仕上がりや効果を保証するものではありません。使用する材料や機器、室温などの環境によって結果は変わりますので、実際の分量や配合については、メーカーの公式情報や信頼できる資料もあわせてご確認ください。

